空手をする人がよく使うイメージのある「押忍」。
今回は、「押忍」の意味や起源、そしてどのような場面で使用されるかをご紹介します。
「押忍」の意味と使われる場面は?
武道でよく聞く「押忍」とは?
空手など、武道をしている人がよく使う挨拶としての「押忍(オス)!」は見聞きすることが多いですよね。
実際にこれらの武道に親しんでいる人なら、この言葉がどれほど頻繁に使われているかご存知かと思います。
ただ、この言葉が一般的な挨拶や返事であることは理解していても、具体的な意味を知らない人も少なくないです。
また、この言葉がいつから使われ始めたのか、どのような経緯で生まれたのかもあまり知られていません。
今回は、「押忍」の意味だけでなく、その語源にも焦点を当てて解説します。
「押忍」の意味とは?
「押忍」とは、空手や剣道、柔道などの武道を行う人たちの間で用いられる挨拶です。
多くの人が使用する「おはようございます」という挨拶が語源で、時間が経つにつれて省略され、「お」と「す」が残りました。
また、武道では自己を抑える忍耐が求められるため、「押して忍ぶ」の意味で、「押忍」と書かれるようになったとされています。
通常、後輩が先輩に対して使う返事や礼として「押忍」を使用しますが、元々は先輩が後輩に使う言葉でした。
地域によっては「おっす!」と短縮して使うこともありますが、これも「押忍」が変化した形です。
「押忍」のいろいろな使い方とその場面
「押忍」は通常、目上の人に対して使用される表現です。
一般的には挨拶として「押忍」をよく使います。
例えば、先輩や教師に会った際には、立ち止まり、お辞儀をして「押忍」と声をかけるのが一般的です。
しかし、「押忍」には異なる表現方法があり、声のトーンや表情の変化で意味が異なります。
「押忍」のバリエーションについて
- 標準的な返事
- 質問形
- 不確かな表現
- 理解を示す
- 反省を表す
「押忍」の基本形・返事
これは最も一般的な使用法で、「はい」と同じ意味で使われます。
特に空手などをしている人は、名前を呼ばれた際に「押忍」と返事をしてしまうことがあるため注意が必要です。
「押忍」で質問形
これは目上の人の話が聞き取れなかったときに使います。
身を前に傾けて、相手の言葉をきちんと聞こうとする姿勢を見せると良いでしょう。
不確かさを示す「押忍」
理解できない時にこの形を使います。
首を軽く傾け、「オスゥゥ」と声を伸ばして発声します。
理解を示す「押忍」
指導を受けたり指示を理解したときに用います。
真剣なまなざしと共に頷くことが重要です。
反省するときの「押忍」
これは比較的使われる機会が少ない形です。
失敗を認める際に小さな声で、やや語尾を引き延ばして使用します。
その他の「押忍」の使い方
五段活用以外では、先輩のジョークに対する適度な笑いと共に使われることがあります。
これは高度なコミュニケーションスキルが必要で、相手に悪印象を与えないように注意が必要です。
空手家の中には「押忍」を使わない人もいる
空手家にとって「押忍」という言葉が一般的なように思われがちですが、必ずしも全員が使っているわけではありません。
例えば、空手部や道場によっては「はい」を使うよう指導されているところもあります。
その場合、誤って「押忍」を使うと注意されることもあります。
特に拓殖大学の空手部など、松濤館流を継承している道場では、「押忍」を好んで使う傾向にあります。
これはその流派による特徴とも言えます。
まとめ
「押忍」は、特に空手、剣道、柔道といった武道で使用される挨拶として知られています。
この言葉は、もともとは「おはようございます」という挨拶が時間の経過と共に短縮され、「お」と「す」が残って形成されました。
武道では、自己抑制や忍耐が重視されるため、「押して忍ぶ」という意味を込めて「押忍」という漢字が使われるようになりました。