春の終わりから初夏にかけて最も美味しい時期を迎える、天ぷらや炒め物でおなじみの野菜わらび。
わらびは扱い方には特別な注意が必要で、生での使用は避けてあく抜きをしなくてはなりません。
ここでは、わらびのあく抜きはお湯だけで効果的に処理できるのか、あく抜きの確認する方法、重曹を使用せずにわらびの下処理が可能かどうかを解説していきます。
わらびのあく抜きはお湯だけでOK?
わらびに含まれるアクは、非常に強靭な繊維質に守られており単純な茹で方では外に出てきません。
この繊維質を柔らかくし、アクを取り除くためにはアルカリ性の水が必要になります。
アルカリ性の水や重曹などを使用することで、わらびの繊維質が柔らかくなり隠れていたアクが水中に溶け出すのです。
この事実を知れば、お湯だけではわらびのアク取りが不十分である理由が理解できるはずです。
また、よく見かける「塩と小麦粉を使った処理法」が、必ずしも最適ではないことも明らかになります。
正しい方法は、塩で茹でた後に小麦粉を溶かした冷水にさらすことだったのですが、この情報が途中で変わり「塩と小麦粉を混ぜた熱湯で茹でる」という誤った方法が広まってしまいました。
塩茹で後に小麦粉が溶けた冷水にさらす方が、アクを吸着しやすいとされていますが、これだけでアクを完全に除去するには不十分です。
それでも、塩茹でによってわらびの不快な味を軽減する効果は期待できます。
結論として、アクを徹底的に取り除くには、アルカリ性の水での処理が最も有効です。
家に重曹や灰がない場合は、食品用の重曹を購入することをお勧めします。
適切な方法で処理することで、後悔することなくわらびを美味しくいただけます。
わらびのあく抜き・重曹を使う方法
わらびのアク抜きには、ただのお湯では不足することが明らかです。
そこで、効果的なアク抜き方法として重曹を利用する手順をご紹介します。
まずは重曹を手に入れることから始めてみましょう。
一般的にわらびのあく抜きには、1リットルの水に対して小さじ1杯の重曹を溶かしたお湯を使います。
重曹の入ったお湯に一晩放置するのが一般的な方法です。
- 沸騰したお湯を火から下ろし、小さじ1の重曹を混ぜる。
- わらびを完全に浸し、蓋をせずに8時間以上放置する。
- その後、わらびを流水で洗い水が透明になるまで十分にすすぐ。
この方法では、適切な温度管理が重要であまりに熱いお湯を使うとわらびが溶ける恐れがあるため注意が必要です。
また、別の方法として塩と小麦粉を使用したアク抜きもあるものの、それらを使った場合には苦味やえぐみが残ることがあります。
これらの方法も一定の効果はありますが、重曹を使用したアク抜きが最も推奨される方法として挙げられています。
時間的な制約で重曹を用意できない場合には、塩や小麦粉を使った方法も試す価値はあるかもしれませんが、可能であれば重曹を用いたアク抜きがわらびを美味しくいただくための確実な方法と言えるでしょう。
炭酸水を使ったわらびのアク抜きは?
炭酸水をアク抜きに使用する試みが見られますが、この方法は効果的ではありません。
具体的な理由を掘り下げる前に、重要な点を指摘しておきます。
重曹が溶け込んだ水はアルカリ性を示しますが、炭酸水はpH4.4と酸性であるため根本的に異なる性質を持っています。
アク抜きには、わらびの堅い繊維質を柔らかくするアルカリ性の物質が効果的です。
炭酸水の酸性ではこの目的を達成できません。
炭酸水を用いた場合、単にお湯で行うアク抜きと同様に不十分な結果に終わることが予想されます。
重曹と炭酸水が化学的に異なる性質を持つことを理解することは、誤解を避ける上で重要です。
結論として、わらびのアク抜きには炭酸水の使用を避けより適した方法を選択することが推奨されます。
まとめ
わらびのあく抜きがお湯だけでも出来るのかについて解説しました。
お湯だけでは十分とは言えないので重曹を使った方法をおすすめします。