揚げ物油がやたらと泡立つことないですか?
小さな泡ではなく、大きくてなかなか消えない泡です。
この現象は、実は揚げ物油が汚れて粘度が上がってしまっている状態から生じています。
この汚れが揚げ物油が泡立つ原因となっています。
したがって、揚げ物油が大きく泡立っている場合は、新しい油を追加したりして粘度を低くする必要があります。
今回は、揚げ物油が泡立つ原因とその対処法について、分かりやすくまとめてみました。
油が汚れる原因についても解説しています。
揚げ物油の泡の種類
どんな油でも食材を入れれば泡立つものです。
実は、油の泡には良い泡と悪い泡が存在します。
良い泡は、新鮮な油に食材を入れた時に発生し、小さくて迅速に消えるタイプです。
「シュワワワワァ~」といった感じの泡です。
この泡は、食材が急に熱せられたため中の水分が蒸発して出る泡です。
これは正常であり、全く問題ありません。
一方、悪い泡は劣化した油から発生し、大きくてなかなか消えない特徴を持っています。
「ブクブク」といった感じの泡です。
悪い泡が発生するのは、油が劣化して粘度が上がり泡がなかなか消えない状態になっているためです。
この見た目から「カニ泡」と呼ばれることもありますが、鍋の中が泡で満たされるのはこのカニ泡が大量に発生しているためだと考えられます。
揚げ物油が泡立つ原因
揚げ物油が泡立つ原因を解説していきます。
一度に材料を過剰に投入
新鮮な油であれ劣化した油であれ、材料を一度に多く入れると、どうしても大量の泡が発生します。
さらに、油の量に比べて過剰に材料を入れると、油の劣化が早まり油の温度も急激に下がります。
揚げ物にとっては好ましくない状態なので、材料は油の量の約1割程度を目安に投入しましょう。
外見で言うと、鍋の1/3程度が適切かもしれません。
繰り返し使って油が劣化
既に述べた通り、油が劣化すると油の粘度が増し消えにくい泡が発生します。
油は使用するほど劣化していくので、これは避けられません。
泡が大きくなり消えにくくなったと感じたら、それ以上は油を繰り返し使用しない方が良いでしょう。
卵の成分が流出
素材にパン粉をまぶす際に使う卵には、レシチンと呼ばれる成分が含まれており、これが油に多く溶け出すと大きな泡が生じます。
新しい油を使用しているにもかかわらず、急にカニ泡が発生する場合はこのレシチンが泡の原因かもしれません。
とんかつや天ぷらを揚げる際によく泡立つ場合だと、この卵が流れ出たというのが原因なのかもしれません。
揚げ物を下ごしらえに衣を付けるときの卵が多すぎた場合などに泡が出やすくなります。
食材に水分が多く残っていたか、パン粉の付け方が弱かったのでしょうか。
この問題に対処する方法として、新しい油を追加することが挙げられます。
いわゆる「さし油」ですね。
ただし、揚げている最中に追加すると温度が下がるため、一回揚げ終わって次の食材を揚げるときに追加するようにしましょう。
肉や魚の油が流出
卵のレシチンと同様ですが、肉や魚を揚げると動物性の油脂が油に溶け出してきます。
これも泡の原因となります。
この場合も新しい油を追加することで、泡立ちをある程度抑えることが可能です。
何かが油に溶け出して泡立つことは避けられないように思えますが、一度に多く揚げ過ぎなければ、ある程度は防げるのではないでしょうか。
私の経験から言いますと、油に対して多くの量を入れた場合によく泡立ってたイメージがあります。
量を少なめにしないといけませんね。
油の再利用するときの注意点
揚げ物の油を繰り返し使用する際には、次回使用時にはさし油をして新しい油を追加しましょう。
これによって劣化した油が希釈され、それなりに状態の良い油で揚げ物ができます。
それでも再利用は2〜3回くらいが限度ですね。
見た目や臭いに違和感を感じるようになれば、古い油は捨てて新しい油を使用しましょう。
また、ろ過するのも一つの手です。
ほとんどの人が実践しているかもしれませんが、ポットなどに移す際には必ず濾過して揚げカスを取り除くようにしましょう。
揚げカスが残っていると、油の劣化が早まる傾向があります。
油の劣化自体は別としても、前回の揚げカスが新しい揚げ物にくっつくのは好ましくありません。
便利な濾過フィルターが付いたオイルポットを使用すれば手軽ですよ。
油を何回も使うつもりのときは油の新鮮さに合わせて揚げる食材を変更していくのもコツです。
新しい油を使うときは野菜の素揚げなど油が汚れにくいものから始めましょう。
2回目3回目と何回か使っていくにつれ天ぷらやとんかつなどの揚げ物にしていくのです。
古めの油で野菜をあげてしまうと油の匂いが野菜に移ってしまうことがあるからです。
なので、野菜類は新鮮な油で使い、少し古くなった油は味が強いお肉やお魚に使うと良いでしょう。
揚げ物油が泡立ってこぼれた際の処理方法
揚げ物油の泡立ちによって油がこぼれた場合の処理方法です。
油がこぼれた際は、火災を防ぐために調理を中断しすぐに火を消すようにしましょう。
その後、こぼれた油が少し冷めたら、不要なタオルなどを使用して油を拭き取るようにしてください。
油がまだ熱いうちにペーパーで拭き取ると火災の原因となることがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
なお、コンロに付着した油は専用の洗剤やシートを使用して掃除し、五徳やバーナーキャップは取り外して洗浄すると油が比較的簡単に落ちます。
まとめ
揚げ物をしたときの油が泡立つ理由と対策について解説しました。
古い油が原因であることが多いです。
また、食材を一気に入れないようにしましょう。