いろはにほへとは日本人なら誰でも耳にしたことはあると思います。
意味となると知らない人も多いかもしれません。
その意味の中に怖い意味があるという説がありますが実際どうなのでしょうか。
ここでは、いろはにほへとの意味や由来や怖いのかなど解説していきます。
いろはにほへとの意味
「いろはにほへと」という言葉は、日本の伝統的な詩である「いろは歌」の冒頭の言葉です。
この詩は、日本語の平仮名を駆使して作られた、非常にユニークな構造を持つ作品です。
平仮名47文字が一度ずつしか使われず、一つも繰り返しがないという特徴があります。
ただし、47文字の中には「ん」が含まれていません。
「いろは歌」は、もともと祈りの言葉や、魔除けのための呪文として使われる誦文(ずもん)として知られています。
単なる文字の並び以上の、深い意味を持つとされています。
では、「いろは歌」を見てみましょう。
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
この詩は単なる平仮名の羅列ではなく、その一字一句に深い意味が込められています。
「いろは歌」は、仏教の深い教えを表したもので、『涅槃教』にある「雪山偈」という部分の意味を反映しているとされています。
この「雪山偈」は、別名「諸行無常偈」とも呼ばれ、すべての存在が変化し続けることを教えています。
この教えは、以下の四つの句にまとめられています。
- 諸行無常
- 是生滅法
- 生滅滅已
- 寂滅為楽
これらは「四句偈」と称され、この世のすべてが移り変わる無常の性質、生まれては消え去ることが自然の流れであること、そして、生と死のサイクルから解放されたときに真の安らぎが得られることを説いています。
言い換えれば、「生と死を繰り返すこの苦しい世界を超え、煩悩を断ち切り、仏教の教えに従って悟りの境地に達することで、究極の安らぎを見つけることができる」という意味です。
また、「いろは歌」は、平仮名を学ぶ際の教材としても用いられていました。
平仮名の並びを教える「いろは順」が、現代の「あいうえお順」に置き換わるまで文字を順番に並べる基準として広く利用されました。
いろはにほへとのいろは歌の由来
「いろは歌」は、日本の歴史の中で大切な役割を果たしてきた詩です。
その起源は平安時代に遡り、日本の文化と深く結びついています。
最も古い記録としては、1079年に書かれた『金光明最勝王経音義』という仏教の経典があります。
この経典は、文字の意味や読み方を詳しく解説したもので、「いろは歌」も漢語の発音を学ぶために使われていた可能性が高いです。
江戸時代になると、「いろは歌」は特に重要な役割を担います。
平仮名が一度も繰り返されないユニークな構造をしているため、文字を書く練習や、平仮名を覚える際の模範として活用されたからです。
この時代より前は、地名などを書いて字の練習をしていたようですが「いろは歌」の採用により、より効果的な学習が可能になりました。
この詩を通して基本を学ぶことから、「いろはを学ぶ」という表現が「物事の基礎を学ぶ」という意味で使われるようになりました。
また、江戸時代には町内で消防活動を行う「町火消」があり、彼らは「いろは順」に基づいて組を分けていました。
例えば、「い組」や「ろ組」といったようにです。
その中でも、「め組」と相撲力士との間で起きた喧嘩は特に有名で、これは後に物語や芝居の題材としても使われました。
時代劇でもよく「め組」は出てきますよね。
「いろは歌」には、最後に「す」の文字の後に「京」や「ん」を加えたバージョンも存在します。
このように、長い歴史の中で様々な形で日本の文化に影響を与えてきた「いろは歌」は、ただの詩以上の価値を持っています。
「いろは歌」は元々47文字から成り立っていましたが、時に「京」という文字を足して48文字とするバージョンも存在します。
この「京」が加わる理由は、日本語の特殊な発音、たとえば「きゃ」「きゅ」「きょ」といった音を学ぶためだったとも言われています。
また、「ん」については、通常の五十音表には含まれない特別な音であり言葉を書く際には欠かせない文字です。
そのため、「いろは歌」の終わりに追加されることもあるのです。
いろはにほへとは誰が作った?
このように、文字や発音を学ぶために使われてきた「いろは歌」ですが、実際にこの歌を最初に作った人については、はっきりしていません。
「いろは歌」は、すべての平仮名を使っていて一つも重ねていないという特徴を持っています。
こんなにも意味のある歌を作れる人は、相当な才能がある人だと思われています。
なので作者として「空海」という名前がよく挙がります。
空海は真言宗の創設者で、非常に有名な僧侶です。
でも、実際のところ、誰が作ったのかは明確にはわかっていません。
空海が活躍した時代と、いろは歌に使われている平仮名が少し違うことから、今では「空海が作者ではない」という意見が多いです。
ただ、空海が創設した真言宗の僧侶たちがいろは歌を学び、それが広まったとも言われているので、真言宗に関連する人物が作者である可能性はあります。
さらに、いろは歌には作者が何かを伝えようとした「暗号」が含まれているとも言われています。
このような理由で、古代の歌人「柿本人麿」や平安時代の公家「源高明」が作者であるという話もあります。
でも、これらの人物は空海よりもずっと前の時代の人なので、実際には作者である可能性は低いと考えられています。
いろはにほへとは怖い呪いがある?
「いろは歌」には、古くからさまざまな言い伝えがあり、中には少し不気味な話も含まれています。
通常、この歌は七五調で詠まれることが多いですが、昔は7文字ごとに区切って書かれることもありました。
その形式だと、歌は次のように区切られます。
- いろはにほへと
- ちりぬるをわか
- よたれそつねな
- らむうゐのおく
- やまけふこえて
- あさきゆめみし
- ゑひもせす
この歌を最後の文字に注目して縦に読むと、「とかなくてしす」となり「咎(とが)なくて死す」と読めます。
これは、「罪もないのに死ぬ」という作者の悲しみや怒りが込められているとされています。
さらに、後ろから3行目を見ると、「ほをつのこめ」と読めて「本を津の小女」となります。
つまり、「この本を津の嫁に届けて」というメッセージとも読み取れるのです。
これらの解釈から、「いろは歌」はただの歌ではなく作者の強い感情が込められた遺書である可能性が指摘されています。
そのため、この歌には不吉なイメージや「呪い」といった言葉が関連づけられることがあります。
実際、暗号としての解釈はさまざまで、この話題について書かれた本も出版されているほどです。
江戸時代には、「咎なくて死す」というフレーズは既に知られていましたが、多くの人はこれを偶然の一致だと考えていました。
それでも、この解釈を取り入れた文学作品もあるなど、人々の間で広く知られていたことは間違いありません。
いろは歌の覚え方
「いろは歌」は学校で習ったりすることもありますが、教養の一つとして身につけたいものです。
この歌を覚える際に役立つコツは以下の通りです。
- 文字をリズミカルに区切る
- 歌や詩のリズムを利用して覚える
- 歌詞に自分なりのイメージや情景を重ねてみる
具体的には、七五調に区切ることです。
- いろはにほへと/ちりぬるを
- わかよたれそ/つねならむ
- うゐのおくやま/けふこえて
- あさきゆめみし/ゑひもせす
このように区切って、各行にメロディーをつけるように声に出してみます。
さらに、各行を想像力を働かせながら具体的なイメージや情景に置き換えてみると、より記憶に残りやすくなります。
また、冒頭でお伝えした
- 色は匂へど 散りぬるを
- 我が世誰ぞ 常ならむ
- 有為の奥山 今日超えて
- 浅き夢見じ 酔ひもせず
で意味と同時に覚えると覚えやすいですよ。
まとめ
いろはにほへとの「いろは歌」の意味と由来について解説しました。
そのまま読めば仏教の無常観を表してる意味になります。
縦読みするとちょっと怖い意味にも取れるということでしたね。
縦読みと言っても現代は横書きだから縦読みになるだけで、昔は元々が縦読みでしたから「ケツ読み」?になるのでしょうか。