お彼岸の時期になると自ずと咲き始める彼岸花。
この彼岸花にはいくつもの別名があります。
中には怖いものやかっこいいものもあります。
ここでは、彼岸花の色んな別名を怖いものからかっこいいものまで一覧にして紹介していきます。
彼岸花の別名
秋のお彼岸の時期に見られる彼岸花。
もう一つの親しまれている呼び名としては、「曼珠沙華」があります。
漢字からしても格好良いですね。
読み方は「まんじゅしゃげ」。
意味はサンスクリット語で「天界に咲く花」です。
言わば、「あの世」に咲く花というと少し不気味ですが、「よろこびごとが起こる前兆として、天界から赤い花が降ってくる」
という仏教の経典に由来しています。
こう聞くとイメージが良くなりますね。
この他にも、「剃刀花」や「しびれ花」など、様々な呼び名があります。
それだけが古くから人々に親しまれてきた花なのです。
彼岸花について
彼岸花はヒガンバナ科・ヒガンバナ属に属する球根植物で、広く日本や中国に自生しています。
学名は「Lycoris Radiata」(リコリス ラジアータ)で、Radiataはラテン語で「放射状」を指します。
彼岸花の花びらが放射状に広がる特徴がありますね。
おそらく、その特性から名付けられたのでしょう。
英名では「Spider lily」といい、花の形がクモに似ていることが由来です。
英語ではこれがユリの仲間と見なされていました。
原産国は主に日本と中国です。
彼岸花は9月頃に開花し、一般的に見られる花の色は赤、白、黄色です。
さらにオレンジやピンクなど、予想以上に多くの色が存在します。
これは品種改良によるものです。
多年草であり、冬にも枯れない特性を持っていますが、花や葉、そして球根には毒が含まれています。
その毒は、ねずみ1500匹の致死量に相当します。
かつてはこの毒を利用して、故人が土葬された場合に埋葬地を荒らすモグラなどの動物を寄せ付けないために、彼岸花をお墓の周りに植えることが行われていました。
このため、お墓の近くで頻繁に見られるようになり、やがて彼岸花は不吉なイメージと結びつくようになりました。
しかし、その背後にある理由を知ると、彼岸花はご先祖の守り花として捉えることもでき、イメージが変わるかもしれません。
彼岸花の名前の由来と別名
彼岸花は、その名前が示す通り、お彼岸の時期にだけ花を咲かせることから名付けられたと言われています。
他にも花の形や咲く場所など、様々な特徴から派生した別名がいくつか存在します。
それぞれの彼岸花の別名の一部を紹介します。
花の形から来る名前
魅力的で美しい赤色とその形状に由来する別名です。
- 狐のかんざし
- 天蓋花(てんがいばな)
- 狐の松明(きつねのたいまつ)
「天蓋」とは仏像などの上にかざす笠状の装飾であり、笠の形が炎の形に似ていることから名付けられました。
毒に関連する別名
昔から彼岸花が毒のある花であるとされ、それに由来する別名がいくつかあります。
- 蛇花(へびのばな)
- 毒花(どくばな)
- しびれ花
死に関連する別名
お彼岸の時期に咲くことから、どこか不気味で怖い印象の別名が多いです。
- 幽霊花(ゆうれいか)
- 地獄花(じごくばな)
- 死人花(しびとばな)
咲き方に由来する別名
花と葉が同時に咲かない生態から生まれた別名です。
- 葉見ず花見ず(はみずはなみず)
- 子捨て花(すてごばな)
彼岸花のその他の珍しい別名
いくつか特異な別名も存在します。
- 龍瓜花(りゅうそうか)
- 雷花(かみなりばな)
- 剃刀花(かみそりばな)
曼珠沙華も素晴らしいですが、龍瓜花や剃刀花のような格好良い別名も存在するんですね。
ごく一部を紹介しましたが、どの別名も興味深いものばかりです。
絵の題材やお話のキーワードとしても利用できそうです。
彼岸花の花言葉には実は怖いものがある? 色による特徴も
彼岸花は別名がどれも何となく不気味で、その花言葉も怖いのではないかと思われがちですが実はそうでもありません。
意外ですよね。
日本でよく見られる彼岸花の色は「赤」「白」「黄色」で、それぞれの花の色には異なる花言葉が付いています。
各色ごとに花言葉とその特徴をまとめてみました。
「赤」の彼岸花の花言葉
- 情熱
- 諦め
- 独立
その燃えるような赤色から、「情熱」という花言葉がつけられたと言われています。
また、「諦め」や「孤立」は彼岸花の開花の特徴に連想されたものです。
「白」の彼岸花の花言葉
- また会う日を楽しみに
- 想うはあなたひとり
白の清らかなイメージ通り、純粋さが感じられます。
別れの花とされることもあり、少し切なさを感じさせます。「
想うはあなたひとり」という花言葉も、彼岸花の開花の特徴に基づいています。
「黄色」の彼岸花の花言葉
- 追想
- 深い思いやり
- 悲しい思い出
元気な色である黄色とは対照的に、打ちひしがれているような印象を与える花言葉です。
「追想」は遠く離れた人への思いを指し、雲の上の人に対する思慕の情を表現しています。
これらの花言葉からも分かるように、彼岸の時期ならではの、もう会えない人への想いが込められています。
青色の彼岸花はどうなのかと思われる方もいるかもしれません。
「鬼滅の刃」の中に登場する青い彼岸花に関しては、実際には存在しない架空の花です。
漫画の中だけのものなんですね。
まとめ
彼岸花の別名についてまとめました。
特徴にちなんだ名前がたくさんありました。
これだけ名前が多いのは昔から身近に咲いてた花だからなのでしょうね。